十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LANDSCAPE」!
今回は、合同会社CREATE・LOCALの高澤優作さんにお話を伺いました。本別町で2024年に起業したばかりの高澤さん。現在は、本別町を拠点に、町が掲げる「SDGs未来都市」を軸にしたさまざまな事業を計画中です。
高澤さんに本別町で起業するまでの経緯や、今後の事業構想について伺いました。
合同会社CREATE・LOCAL 高澤 優作さん
プロフィール
高澤 優作さん(たかさわ ゆうさく)
1999年富山市生まれ。幼少期からサッカーに打ち込み、高校は強豪校の富山第一高等学校に進学。サッカーを通じて海外の文化に触れ、多文化交流に関心をもつ。2019年、日本外国語専門学校を卒業後、父の康之氏が社長を務めるアール・エ北陸(富山県)に入社。2022年に米国カリフォルニア州のコミュニティカレッジへ留学し、翌年帰国。2024年、本別町で合同会社CREATE・LOCALを設立。
本別町のビジョンとの共鳴
――まずは、合同会社CREATE・LOCALの基本的な事業内容について、お聞かせください。
(高澤さん)クリエイト・ローカルは、本別町の取り組みである「ゼロから始める本別町官民協働ローカルSDGs」で掲げる「新しいことにチャレンジすることができ、域内利益が好循環しているまち」というビジョンに共感して設立した会社です。その出発点として、空き家を活用した地域の交流拠点(コワーキングスペース)を町の中心部に整備しました。今後は、地域商品のブランディングや人材育成、情報発信などを主軸に地域に貢献していきたいと考えています。
――高澤さんのご経歴について、教えてください。
(高澤さん)私は富山県富山市の生まれ育ちで、日本外国語専門学校を卒業後、父が代表を務める「アール・エ北陸」に入社しました。アール・エ北陸は、再生可能エネルギー導入やSDGs推進を支援するコンサルティング会社で、私もこれらについて学び、他の社員とともに全国の自治体を回りました。その後、新型コロナウイルスの流行により一度は頓挫した海外留学を2022年に実現させ、2023年に帰国しました。
アメリカ合衆国カリフォルニア州のコミュニティカレッジでは、世界の環境意識に触れ、現地の人々からチャレンジ精神を学びました。私も帰国後は何かに挑戦したいと思い、本別町で起業したという次第です。
――高澤さんが本別町で起業をするきっかけは何だったのでしょうか?
(高澤さん)2023年6月に前職であるアール・エ北陸が本別町と「ゼロカーボンシティに向けた連携協定」を結んだことが最初のきっかけです。政府が推進する「地方創生人材支援制度」(※)にアール・エ北陸が登録しており、本別町が掲げる「SDGs未来都市計画」のお手伝いをさせて頂くことになりました。
その後は冒頭でお伝えしたとおり、本別町が掲げる「新しいことにチャレンジできる町」というビジョンが私の事業構想とも重なったことで、この町での起業に至りました。
(※)地方創生人材支援制度…国や民間の専門人材を地方自治体に派遣し、地域課題の解決や地方創生を後押しする制度。地方公共団体からの派遣受入の希望申請に基づき、各省庁、民間企業と地方公共団体とのマッチングを支援する。
――本別町での本格的な事業の第一弾として、まずは地域の交流拠点(コワーキングスペース)を整備されたんですね。
(高澤さん)空き家を活用してリノベーションした場所なのですが、整備費用の一部に「ローカル10,000プロジェクト」という国の支援制度を活用しました。これは、地域資源を活かした民間主導の事業を、その事業が行われる自治体と連携して支援する制度です。本別町としても、今後こういった取り組みを推進していきたいということで、私たちが町内では第1号の採択者となりました。
――現在、コワーキングスペースはどのように活用されていますか?
(高澤さん)現在、私は本別町に限らず全国のさまざまな自治体・地域と関わり合いながら事業を構築している途中で、本別町に常駐できていません。そのため、現在はイベント等で不定期に利用されているのですが、今後はコワーキングスペースとしてはもちろん、子どもたちのための学童や学生の居場所づくり、住民の皆さんの交流促進などにも貢献したいと考えています。コワーキングスペースとしては、今年度中に運営を開始することが目標です。
――これまで、どのようなイベントを開催しましたか?
(高澤さん)町のSDGsや中心市街地のリブランディングを推進する中間支援組織「一般社団法人andほんべつ」の交流イベントや、本別町の交流・関係人口の創出を考える会議「ほんべつわやカイギ」などがここで行われました。「ほんべつわやカイギ」は、町と連携協定を結ぶ地域包括ケア研究所(東京都)の主催で、町の未来創造課が共催したイベントです。アール・エ北陸の代表も同席し、SDGsについての理解を深めました。
高澤さんが見据える今後の展望
――教育の分野でも、本別高校と連携して取り組まれていると伺いました。
(高澤さん)今後、弊社が展開していくことを検討している主なコンテンツの中に「人材育成事業」と「地域商品のブランディング」という二つの軸があります。
今年度は、本別高校の「総合的な探究の時間(とかち創生学)」に協力しています。学生の皆さんにSDGsや脱酸素についての講義を行い、本別町が推進する「SDGs未来都市」を広めるためのオリジナルグッズの制作について、その具体的なアイデアをプレゼンしてもらいました。アイデアの発表会には、高橋哲也教育長や町未来創造課の職員の皆さんにもご参加いただきました。オリジナルグッズは、現在製作中で1月の町内イベントで町民の皆さんにお配りできればと考えています。
その他、本別高校の皆さんと、町の特産である豆を活かした商品開発検討を行ったこともあります。
――他にも現在構想中の事業はありますか。
(高澤さん)本別町に限らず、全国のさまざまな自治体・地域と関わり合いながら事業を構築中と先ほどお話ししましたが、どの自治体も共通の課題を抱えていることを実感します。
近年の情報発信の主たる方法といえば、ターゲットを絞らずに全国に向けて発信していくのが当たり前ですが、「地方創生」という文脈の中で、情報の波に埋もれてしまう可能性が高いと考えています。ある程度、狙い撃ちが必要ではないかと。
そこで、弊社が関わっている自治体・地域同士がまずは横軸でつながり合い、連携・情報共有を図ることによって新たなコミュニティを作り、共通のECサイトを構築するとします。まずは、そのコミュニティの中でそれぞれの地域ブランド商品を売ったり買ったりするなどの新しい仕組みを作りたいと考えています。
また、その延長線上で、SDGsや地域内循環といったテーマを切り口とし、既存商品のリブランディングや商品開発を行う構想もあります。そして、商品の売上の一部が町の課題解決に使われるといったような仕組みを検討していきたいと考えています。
――ありがとうございました。最後に、十勝の皆さんにメッセージをお願いします。
(高澤さん)十勝という地域には、そもそもブランド力がありますが、その中でも個々の力を強めていかなければならないと感じています。それが互いの市町村同士を高め合うことにもなるはずです。私も、本別町で起業をしたからには、本別町の力を高めていけるよう貢献したいです。一緒に頑張りましょう。
(編集後記)
富山県がルーツの高澤さんが、なぜ本別町に可能性を見出し、そしてどのような未来を描いているのかお話を聞くことができました。本別町にとってはまさに「若者・よそ者」である高澤さんですが、そのような新鮮な感性や視点が地域の未来づくりには求められていると思います。ただ、高澤さんの挑戦はまだまだ始まったばかり。LANDとしても高澤さんの今後の活動を応援していきたいと思います!
(LAND小田)
協力
帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会
お問合せ
この記事に関するお問合せはLANDまでお気軽にどうぞ!